ホンダU3-X

U3-Xキャプチャ画像

ホンダがモーターショーで発表したコンセプトモデルU3-X。
見た目はピーナッツのような形でのりものには見えません。
しかし、上部の丸い部分を持ち上げ、腰を下ろすと前後左右滑らかに走る電動一輪車となります。
ただし、U3-Xはコンセプトモデルのため、市販予定はありません。

UX-3が生まれた経緯

ホンダの代表取締役社長伊東孝紳氏によると、ホンダが人と共存できるモビリティを作ろうと、独自のアイデアで技術者が挑戦した結果できあがったものだそうです。
ASIMOで培ったバランス技術を応用し、移動する楽しさや喜びにつながるものとしています。
UX-3の具体的な商品化は決まっていませんが、この技術で新たなモビリティの可能性を模索したいと述べています。

U3-Xの仕組み

小さな車輪をネックレス状につないだひとつの車輪が動作します。
二足歩行ロボットASIMOの研究で培ったバランス制御技術により、体重移動だけで速度や方向の調整が可能です。
前後だけではなく真横や斜めに移動できる全方位駆動車輪機構を世界で初めて開発。車輪をモーターで制御しており、大きな車輪で前後移動、小さな車輪で左右移動します。
2つの車輪を組み合わせた斜め移動も可能となりました。法的なハードルをクリアするため最高速度は6km/hを上限としています。フル充電で1時間駆動可能です。

バランスのとり方

乗員はどのようにバランスをとるのかというと、竹ぼうきを使って腕や体でバランスをとる感覚とのこと。
傾斜センサーの情報を元に、ホイールの動きをフィードバックして速度や方向をUX-3側が判断するそうです。
想定される使用場所は屋内のため、段差は考慮していないとのこと。
のり方は、UX-3を背にして立ちシートに腰かけます。両足は浮かさず床につけたままにすること、両手はシートに添える程度にすることがポイントです。
腰かけたら体を前後し座りやすい位置に調整。ステップを足に乗せたら乗車完了となります。

U3-Xのサイズ

サイズは全高650mm、全長315mmとコンパクトで、シートやステップが折りたたみできます。
日常生活で邪魔にならないよう、U3-Xは乗車時の目線の高さを歩行者と同じにしています。
また、着座スタイルであるぶんすぐに足を地面につけるので、安心感があります。
両手が自由に使えるため荷物を持ったり手をつないだりと、のる人と周囲にやさしいのりものです。
重量も10kg以下と持ち運びできるようになっています。

UX-3は今後、日常生活のさまざまな分野で使えるように研究開発をすすめたいとしています。