バイク操作で脳が活性化するって本当?
バイクに乗るライダーは、年齢を重ねても若々しい人が多いというイメージがあります。
もしかしたらバイクに乗ることは脳を活性化するのではないかという疑問に基づいて、バイクメーカーであるヤマハグループのヤマハ発動機と東北大学が共同で実験を行いました。
その結果分かったことは、バイクの操作をすることによって脳が活性化するのは本当だという事です。
必ずしもバイクでなければいけないというわけではないものの、バイクの操作は自動車の運転と比較して操作が困難というだけでなく、刺激もあります。
そうした難しくて面倒な作業、そして脳にとって刺激となる操作をすることで、人間の脳は活性化されるという研究結果が出たのです。
どんな実験をした?
この実験は、バイクを買ったばかりのライダーを対象に行われました。
もともとは全国100人以上のライダーからデータを抽出しましたが、データ欠損がなく、なおかつ有効なデータのみを抽出した上でいくつかの観点から分析をしました。
行った検査は認知機能の検査で、具体的には、脳が物事を認知するスピードを計測しました。
例えば、小学校で習う算数レベルの計算問題を見せて、1分間にどのぐらいできるかを計算しました。
準備したのは50問ほどで、内容は2+5とか、2x7といった簡単な問題ばかりです。
その他には、1から5までの数字と、アイウというカタカナが紙の上にちりばめられており、1-アー2-イー3-ウー4-5と順番通りに線でつなげるか、と言った簡単なルールの問題を出題しました。
その結果、バイクの運転をしたことによって、計算問題や符号を認識する問題の結果に明確な向上効果が見られたのです。
1か月後よりも6か月後の方がより大きな改善効果が出ていることから、バイクの操作が脳を活性化するという結論を導き出しています。
この実験では、バイクに乗る頻度が脳の活性化にどのような影響があるのかについても調べました。
その結果、毎日バイクに乗るライダーでも、週に1、2回しか乗らないライダーでも改善効果が認められました。
またこの研究では、購入するバイクの車種によって脳の活性化の度合いが異なるのかという実験も行われました。
その結果、スクーターを購入した人よりもバイクを購入した人の方が明確な改善効果が認められています。
つまり、バイクの操作が簡単なスクーターより、操作が難しい一般的な自動二輪の方が脳への活性化という点では大きな作用があると言えます。
もしも日常生活の中で脳を活性化したいと考えている人は、バイクに乗ることを検討するのが良いかもしれません。
週に1回ぐらいの操作でも、脳にとっては大きな刺激材料となります。